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「おじさんのお酒」とい うイメージが強かった焼酎
を楽しむ若い女性が増えて いる。中でも、くせの強い
「乙類」の本格焼酎が人気 で、銘柄をそろえた女性向
けの「焼酎バー」もにぎわ っている。個性豊かな味わ
いに食中酒としての魅力を 再発見する女性たちが多い
ようだ。

東京・赤坂に昨年十月オー プンした「シャボン」には、
百五十種類以上の焼酎と泡盛 がそろう。一杯六百円から、
めったに手に入らない沖縄の 三十年物の古酒(一杯八千円)
まで、料理に合わせてグラス で注文できる。「約七割が女
性客。年齢は二十代後半から 三十代が中心で、ぐいぐい飲
むと言うよりは、チビリチビ リ色々な種類の焼酎を楽しむ
女性が目立ちます」と同店。

近くの銀行に勤める女性 (27)は、以前はワインを愛飲
していたが、最近は焼酎を飲 む方が多いそうだ。「芋、麦、
米、ソバ、黒糖など、原料で 風昧が違う。蔵元の違いもは
っきりしていて、飲み比べの 楽しみがある。和洋中と、料
理を選ばないのもいい」


百種類以上の焼酎を扱う東 京・谷中の酒販店「伊勢五本
店」でも、三年前から若い女 性客が目立つようになったと
いう。今は半数近くが女性客 で、七百二十ミリリットル瓶
で千円前後の焼酎がよ く売れる。「最初はく
せの少ない麦焼酎から 始め、慣れてくると、
においの強い芋焼酎を探す"本格志向"の女性が多
いのに驚きますLと浜元宏之 店長は話す。

焼酎は酒税法上、甲類と乙 類に分かれる。「梅サワー」
などのカクテルによく使われ る甲類が無昧無臭に近いのに
対し、伝統的な蒸留方法で造 られることの多い乙類は原料
の風味が出やすく、「くせが ある」とされる。本格焼酎と
呼ばれるのもこのためで、沖 縄特産のものが泡盛だ。

「以前は、独特のにおいが 若い女性に敬遠されていた。
最近はそれが個性的と評価さ れ、本格焼酎の人気につなが
った」と矢野経済研究所の太 田実研究員は分析する。

国税庁の調査でも、昨年度 の本格焼酎の消費量は約三十
五万キロリットルと、ここ五年で十 万キロリットルも増えた。キリンビ
ールや、甲類が中心だった宝 酒造も本格焼酎の生産にカを
入れ始めており、しばらくは 「本格人気」が続きそうだ。

「本格焼酎を愉しむ」(光 文杜新書)という著書もある
ソムリエの田崎真也さんは 「ワインや日本酒と違ってう
んちくを語る人が少なく、気 軽に楽しめるのがいいとこ
ろ。自分流の飲み方を探す喜 ぴもあります」と話している。

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